誰かが亡くったとき、テレビなどでは「天国へいかれました」と言われることがありますが、浄土真宗でも天国へ行くのでしょうか?

 他の宗教では、天国は死後の理想的な国の代名詞のようにされていますが、浄土真宗では、天国ではなく、お浄土へ往きます。

 ただし、仏教では「天上界」という世界があるとされています。
 これは、死後に生まれ変わる六つの世界(「地獄(じごく)」「餓鬼(がき)」「畜生(ちくしょう)」「阿修羅(あしゅら)」「人間界(にんげんかい)」「天(てん)上界(じょうかい)」)の一つです。
 
 天上界は長寿の世界で、1昼夜は人間の世界でいう400年であり、寿命は4000年ともいわれています。しかし、いくら長く生きても最後は死亡するといわれているのです。そして、天上界に生きた人ほど死ぬときはこの上もない不安にかられるというのです。なぜなら、次に生まれ変わるとしても、よくて今と同じ天上界、もしくは今いた世界よりも下の世界に生まれ変わらなければならないからです。これら6つの世界はすべて仏教では迷いの世界なのです。

阿弥陀仏を信じ、南無阿弥陀仏と称えること、これによって迷いの世界から抜け出すことが出来るのです。