還相の菩薩という言葉を聞いたことはありますか?

少し専門的に勉強したことがないと、馴染みがないかもしれません。
一般的な表現で簡単に言ってしまえば、「ご先祖様のご加護」と言えるかもしれません。

仏様になる

浄土真宗では人が亡くなったとき、どうなるのでしょうか。

それは、阿弥陀様がご自身の国である、お浄土へとお連れくださるのです。
そこは、一切の苦しみから離れた、極楽浄土です。

そのお浄土に連れていかれれば、その瞬間に阿弥陀様と同じ悟りを頂き、菩薩の姿になると言われています。これは、昔から「水に入れば濡れる」と例えられるように、阿弥陀様の世界に入れば、その功徳に染まるのです。

これが仏様になった状態。つまり成仏です。成仏するとよく言いますが、成仏は死ぬことではありません。仏様になることを言うのです。

成仏したその後は?

成仏したその後は、何をするのでしょうか。それは「遊行(ゆぎょう)」と言う、いわば遊びの行なのです。

では何をして遊ぶのでしょうか。

それは、生前、縁のあった人を見守り、導いていく行なのす。正しく仏の道を歩めるように、様々な縁を作っていくのです。これは、菩薩様にとっては無上の喜びであるといいます。これをしてくださるのが、先に亡くなった方々なのです。この方々を還相菩薩(げんそう ぼさつ)と呼びます。

この還相とは「還来穢国の相」を略したもので、穢れた国である現世に還ってくるという意味なのです。

どんな人をも自由に助けることの出来る身になり、それを喜びと感じられる世界。それが悟りの世界なのです。

親鸞聖人は『浄土和讃』の中で

安楽浄土(あんらく じょうど)にいたるひと
五濁悪世(ごじょく あくせ)にかへりては
釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)のごとくにて
利益衆生(りやく しゅじょう)はきはもなし

極楽へお連れ頂き、阿弥陀様と同じ悟りを頂いた人は、
還相の菩薩として、この迷いの世界に帰って来て、
お釈迦様がそうなさったように、
人々に利益(りやく)を与えること、極まりがない

とよまれています。

悟りを得て、世の中の本当の姿に目覚めたものは、まだ目覚めず苦悩の人生を歩むものを見捨ててはおけないのでしょう。そうして、仏の道にであい、光に照らされた人生であって欲しい。

それが、阿弥陀様の願いであり、先に往った人々の願いなのです。

以上が還相菩薩の おはたらき です。